
俺(篠原)はその瞬間になって、初めて知った。
好敵手と呼ばれる関係の脆さ、儚さ、やるせなさ。
力がなければ守れない。同等であり続けなければ、維持できない。
友達でもない、恋人でもない。
家族でもない特別な関係は、どちらか一方が落ちた瞬間に、こうも簡単に壊れてしまうのだ。
その座を予期せぬ他人に、奪われてしまうのだと――。
学生時代からライバル同士だった篠原と小早川は、社会人になってもマラソンで世界を目指していた。
だが、ある日の大会結果を機に、篠原は引退へ。
小早川とも距離を置く決心するが、その選択が二人の関係を拗れたものにしてしまい……!?
小説AQUA掲載→改稿・改訂版
初版限定フルカラーカバー
初版2016/12/29
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